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年末年始のお休み
カテゴリ: お休み
むち打ち対策の知識44
カテゴリ: むち打ち対策
今日は【むち打ち対策の知識44】
追突事故被害者210名と健常者210名を対象に1年間追跡したリトアニアの前向きコホート研究によると、両群間で頚部痛を訴える頻度に差は認められなかったことから、急性のむち打ち症は自己限定性で慢性のむち打ち症は存在しない。http://1.usa.gov/VvILX5
追突事故によって生じる慢性疼痛に関する先入観がなく、長期活動障害に対する不安もなく、医療団体・保険会社・訴訟が追突事故に関与しないリトアニアのような国では、急性のむち打ち損傷後の症状は一時的なものであり、いわゆる慢性むち打ち症候群には進展しないことが示されたことになります。
むち打ち対策の知識43
カテゴリ: むち打ち対策
今日は【むち打ち対策の知識43】
急性むち打ち症患者97名を対象にしたランダム化比較試験によると、標準的治療(安静・頚椎カラー・漸進的活動再開)よりも、受傷後96時間以内の積極的治療(緩やかな自動回旋運動を1時間おきに最高10回繰り返す)のほうがはるかに治療成績は良かった。http://1.usa.gov/14s9Teo
6ヵ月後の時点で比較すると、積極的治療群の90%はほとんど痛みがないか軽い痛みしか残っていませんでしたが、一方の標準的治療群でほとんど痛みがないか軽い痛みしか残っていない患者は47%に過ぎませんでした。
むち打ち対策の知識42
カテゴリ: むち打ち対策
今日は【むち打ち対策の知識42】
ケベック特別調査委員会の『むち打ち関連障害の診療ガイドライン』は、「グレード1」と「グレード2」のWAD(むち打ち関連障害)患者に対して、できるだけ早く通常活動を再開するよう積極的に勧めるべきだと勧告している。http://1.usa.gov/QPlACu
WAD(むち打ち関連障害)には、頚部痛・頚部緊張・頭痛・肩の痛み・腕の痛みや麻痺・感覚異常・疲労倦怠感・嚥下困難・視覚障害・聴覚障害・めまい・耳鳴り・睡眠障害・情緒不安定・記憶喪失・顎関節疾患などが含まれ、ケベック特別調査委員会は以下の「ケベックWAD分類」を提案しました。【グレード0】頚部の症状がなく理学所見も異常なし。【グレード1】頚部痛・凝り・圧痛のみで理学所見に異常なし。【グレード2】頚部の症状に加えて筋骨格系所見(可動域制限・圧痛点など)あり。【グレード3】頚部の症状に加えて神経学的所見(深部腱反射の低下や消失・筋力低下・知覚障害など)あり。【グレード4】頚部の症状に加えて骨折か脱臼あり。
むち打ち対策の知識41
カテゴリ: むち打ち対策
今日は【むち打ち対策の知識41】
4)磁気ネックレス・薬草(漢方薬を含むハーブ療法)・ホメオパシー・リフレクソロジ―(反射療法)などといった話題の治療法が有効だとするエビデンスはなく、特に磁気ネックレスは用いるべきでない。http://1.usa.gov/LYNegq
磁気ネックレスはRCT(ランダム化比較試験)によって無効であることが確認されているので少し強い勧告となっています。以上でWAD(むち打ち関連障害)の診療ガイドラインは終了します。本当ならこれ以降の新たな知見を織り交ぜて本を書いた方がよっぽど楽だったかもしれません。今回のWADシリーズは、日本カイロプラックティック評議会(CCJ)の森田正良DCから献本していただいた『むち打ち関連障害-「むち打ち」の再定義とその取扱い』を参考にさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。